音の世界の音色と呼ばれる相は、物の世界の色と結びついているのだろうか。
わたしには個々の音色は、色になる前の光のように感じられる。
音が放つ色彩感は、異なる音色と音色が重なり合って生まれると感じる。
音から色彩感が生まれる様子は、光が何かを通って初めて色になる過程と似ているのかもしれない。
単色で描かれるモノクロ写真の世界は、明暗だけでできている。
それは、楽器のソロ演奏が作り出す世界に似ている。
単一の音色だけで世界を作るソロ演奏ではあるが、明暗、質感、温度感の多様な変化を描き出す。
そうした世界の奥行きは、生きとし生けるものの命を表現するには十分だ。
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